プロローグ。「ともりん、いってらっちゃ〜い」
「行ってくるね、りかぴん」
「早く、帰ってきてね〜、ともりん、ちゅっ!」わさっ。わたし、ともりんの背中に止まる。
「きゃーーー!! ととととともりん、背中!」
「え? なに?」
「でっかいもんしろちょう! こっち見て笑ってる! やああ!」りかぴん、ともりんの背中に突進してわたしを追い払おうとする。わさっ。今度はりかぴんの背中に飛び移る。
「きゃあ!」
「ぎえー! なにこれー! 気持ちわりー!」ともりん、りかぴんから遠のく。
「とって! とって! とって!」
「来るな! 来るな! 来るな! あっち行け!」
「ちょっ、ひどい! ともりーん! 助けてよー! こわいよー!」
「来るな! 来るなってば! 振り落とせ! 振り落としたら踏みつぶしてやるから!」りかぴん、必死に背中をふりふりする。あっ。わたし床に落とされる。わさっ。
「きゃあ!」りかぴん、ともりんに抱き付く。
「なんなんだよ、これ!」
「知らないわよ! わたしだって!」振り落とされた、わたし、ゆっくりと立ち上がり、ふたりの方を向く。
「わたし、カブトムシ、よろしくね!」(かわいく)
「きゃー!」
「ぎゃー! ゼッタイ見た目カブトムシじゃないし!」プロローグ終了。
昨日、本屋さんに行ったら『虫占い』っていう本があって、占ってみたら「カブトムシ」でした。わたしモンシロチョウなのにー!