モルダーとスカリー  第3章


 急にモルダーは車を止めて、歩道に寄せて停車した。

スカリー「どうしたの? 急に車止めて」
モルダー「いや、何でもないんだ」

 そう言って、モルダーはジャケットの内ポケットから1ダースほどの手紙を取り出し、車の外に出た。辺りをきょろきょろ見回してから、ポストに向かって一直線に突進し、手紙をポストの口に流し込んで車に引き返してきた。


スカリー「モルダー、今だした手紙は何なの? まさか・・・。」 モルダー「その、まさかだよ、スカリー」 スカリー「上層部への報告書は私の役目じゃないの。私まで信じれ なくなってしまったの」 モルダー「・・・・?。違うよ、スカリーちゃーん。僕宛のファン レターの返事だよ。それと企業への資料請求とかもある けど、ほら、そろそろ就職考えないとさ」 スカリー「・・・・」 モルダー「あ、あともちろん高橋由美子のラジオにだしたものもあるけど」 スカリー「・・・・モルダー、あなたの設定は一応FBIなんだから。 大学生じゃないのよ、それ分かってる?」 モルダー「分かってるよお。スカリーちゃーん。僕のこと心配してくれなく ても大丈夫だって」 スカリー「心配っていうか・・・。どんどん、なんか現実のXファイルと話 が、かけ離れていくのが心配で」 モルダー「大丈夫だよお、もう心配症だな、スカリーちゅわんは。ところで どっか内定でた?」 スカリー「・・・・」 モルダー「スカリーちゃん。隠さないでよ、内定でたらさ、お祝いしてあげ るからさ」 スカリー「うううう・・」 モルダー「どうしたの?」 スカリー「やってられないわよ、もう、ううう。こっちが、ううう、グス、 真面目に一生懸命、クス、スカリー役やってあげてるのにいい、 グス、ううう、木村も、グス、ちゃんとモルダー役やってよ。う うううう、お願いだから、もう、やだよお、うううう、う、グズ 、グス、ゲホ、ゲッホ、ゲッホ、ゲホ、ゲホ」
 スカリーは涙でむせた。
モルダー「大丈夫、スカリーちゃん。僕が悪かったよお。謝るよお」 スカリー「ゲホ、グホ、ゲホゲホグホ、ゲホ・・・もう次のシーンに移って よ、ねえ!」 モルダー「スカリーちゃん、ラジャー。これから瞬間移動するから僕につか まってくれる? よーし、てれぽーーーーーーていしょおおおお おん!!!!」
 スカリーとモルダーはひしと抱き合ったまま瞬間移動した。

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