急にモルダーは車を止めて、歩道に寄せて停車した。
スカリー「どうしたの? 急に車止めて」そう言って、モルダーはジャケットの内ポケットから1ダースほどの手紙を取り出し、車の外に出た。辺りをきょろきょろ見回してから、ポストに向かって一直線に突進し、手紙をポストの口に流し込んで車に引き返してきた。
モルダー「いや、何でもないんだ」
スカリー「モルダー、今だした手紙は何なの? まさか・・・。」 モルダー「その、まさかだよ、スカリー」 スカリー「上層部への報告書は私の役目じゃないの。私まで信じれ なくなってしまったの」 モルダー「・・・・?。違うよ、スカリーちゃーん。僕宛のファン レターの返事だよ。それと企業への資料請求とかもある けど、ほら、そろそろ就職考えないとさ」 スカリー「・・・・」 モルダー「あ、あともちろん高橋由美子のラジオにだしたものもあるけど」 スカリー「・・・・モルダー、あなたの設定は一応FBIなんだから。 大学生じゃないのよ、それ分かってる?」 モルダー「分かってるよお。スカリーちゃーん。僕のこと心配してくれなく ても大丈夫だって」 スカリー「心配っていうか・・・。どんどん、なんか現実のXファイルと話 が、かけ離れていくのが心配で」 モルダー「大丈夫だよお、もう心配症だな、スカリーちゅわんは。ところで どっか内定でた?」 スカリー「・・・・」 モルダー「スカリーちゃん。隠さないでよ、内定でたらさ、お祝いしてあげ るからさ」 スカリー「うううう・・」 モルダー「どうしたの?」 スカリー「やってられないわよ、もう、ううう。こっちが、ううう、グス、 真面目に一生懸命、クス、スカリー役やってあげてるのにいい、 グス、ううう、木村も、グス、ちゃんとモルダー役やってよ。う うううう、お願いだから、もう、やだよお、うううう、う、グズ 、グス、ゲホ、ゲッホ、ゲッホ、ゲホ、ゲホ」スカリーは涙でむせた。モルダー「大丈夫、スカリーちゃん。僕が悪かったよお。謝るよお」 スカリー「ゲホ、グホ、ゲホゲホグホ、ゲホ・・・もう次のシーンに移って よ、ねえ!」 モルダー「スカリーちゃん、ラジャー。これから瞬間移動するから僕につか まってくれる? よーし、てれぽーーーーーーていしょおおおお おん!!!!」スカリーとモルダーはひしと抱き合ったまま瞬間移動した。