「やすだくんってさあ」
「あ、はい、なんすか?」
「いつも下向いて歩いてるけど、あれは何?」
「人を見たくないんです」
「ふ〜ん、変なの」
「人が多分嫌いなんです僕」
「ふ〜ん、人って大きいくくりね。自分も含まれるわけ?」
「もちろんです。自分が中心です」
「ふ〜ん、私も含まれるの?」
「や、むう子さんは含まれません、っていうかさっきからふんふんふんうるさいです」
「大きなお世話、背中に焼き印入れちゃうわよ」
「わー、やめてくださいよー」
「このこのこのー」
「わ、やめてください、くすぐったいです」
「やめないぞ、ここをこうしちゃうぞ」
「あ、だめですきゃはははは」
「やめないやめないこのこのこのお」
「きゃはははは、もうだめです、はあはあはあ」
「やめ・な・い・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・むう子さん・・・」
「・・・やすだくん・・・」
「これがむう子さんの頭蓋骨」
「これがやすだくんの頭蓋骨」
「この中に脳みそが入ってるのね、(こんこん)こんばんはー誰かいるー?」
「痛いですよ」
妄想はフリーって言っても妄想は蚤って意味じゃないよ。