パチパチパチパチ。
「おめでとう!」
「おめでとう〜」
「キョウコ先輩おめでとう〜」
「・・・。」
「で、今日を持ちましてこの会社ともお別れってことで、うるうる、って誰も泣いてないですね。あは。なんか、ちょっぴり寂しいですけど、しあわせになりますのでよろぴく〜。また近くに来ることがあったら、・・・ゼッタイに寄りませんので(笑)」
「もう! キョウコ先輩、寄ってくださいよ〜(笑)」
「歓迎しますから!(笑)」
「・・・。」
「ということで、迷惑ばかりかけましたがこの5年間どうもありがとうございましたー」
パチパチパチパチ。
「あの、キョウコ先輩、これ、私たちから」
「ええええ!(大げさに驚く)どうもありがとう!」
「開けてくださーい」
「え? いいの? なにかな〜。なんか重いね。・・・あ! 綺麗なグラス! 琉球ガラス?」
「そうです〜。旦那さんと仲良くこれ使ってくださーい」
「使わせて頂きます。あのねー、琉球ガラスはね、」
「赤が高い」
「・・・(誰こいつ?)」
「・・・(誰なの?)」
「・・・(こんなやつ会社にいたっけ?)」
「・・・(誰?)」
「・・・あ、いや、赤が高いの? そう(笑)、じゃあ、なおさら大切に使うね!(誰かしら?)」
やすだ、そそくさとキョウコ先輩に近寄る。
「あ、あの、これ寄せ書きです」
「あー、ありがとう・・・。ん?(その寄せ書きを読んで固まる)」
「!(うわ、全部やすだ)」
「!(やすだばっかしじゃん)」
「!(なにこれ〜、似顔絵入り!)」
「!(ひ〜、やすだオンリー、キモイー)」
「どういたしまして。こえからも影で見守っていきまーす」