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2000年02月27日

虎に食べられて欲しい人たち

「レッサーパンダって超かわいいー」
「なーに、言ってんだよ、お前のほうがぜんぜんかわいいよ」
「もう! たっくん、照れること言わないで!」
「いいじゃん、本当のことだぜ」

レッサーパンダの檻を通過。いもむし娘の檻へ。

「きゃっ! こわい、変ないもむしがこっち睨んでる!」
「おー、こえー、すごい形相してんな」
「超こわいよー、たっくーん」抱き付き。
「うわっ! さらに目がつり上がったぜ! こえー。きっと腹減ってるからこんな顔してんだぜ、コイツ」

(違うよ、あんたたちがいちゃついてるからだよ!)

「ねーねー、好きな食べ物はまるごとバナナだって。シカにあげるつもりだったせんべいあげてみれば」
「あ、うん」

(わたしはシカじゃないよ!)

たっくん、檻にせんべいを差し入れる。

(でも食べちゃうよ!)

「あ、食べた食べた。すんげー勢い。よしよし」

たっくん、調子に乗って檻から手を入れ頭をなでる。

(なに気安く触ってんのよ!)がぶっ!

「わっ!」「きゃっ!」

たっくん、手をかまれる。

「なに、こいつ人間の顔してるくせにすんげー下等生物じゃん!」
「もう、行こ。なんだかこわいよ」

立ち去るたっくんたち。

(もっとせんべいよこせ! ケチ!)








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