「レッサーパンダって超かわいいー」
「なーに、言ってんだよ、お前のほうがぜんぜんかわいいよ」
「もう! たっくん、照れること言わないで!」
「いいじゃん、本当のことだぜ」レッサーパンダの檻を通過。いもむし娘の檻へ。
「きゃっ! こわい、変ないもむしがこっち睨んでる!」
「おー、こえー、すごい形相してんな」
「超こわいよー、たっくーん」抱き付き。
「うわっ! さらに目がつり上がったぜ! こえー。きっと腹減ってるからこんな顔してんだぜ、コイツ」(違うよ、あんたたちがいちゃついてるからだよ!)
「ねーねー、好きな食べ物はまるごとバナナだって。シカにあげるつもりだったせんべいあげてみれば」
「あ、うん」(わたしはシカじゃないよ!)
たっくん、檻にせんべいを差し入れる。
(でも食べちゃうよ!)
「あ、食べた食べた。すんげー勢い。よしよし」
たっくん、調子に乗って檻から手を入れ頭をなでる。
(なに気安く触ってんのよ!)がぶっ!
「わっ!」「きゃっ!」
たっくん、手をかまれる。
「なに、こいつ人間の顔してるくせにすんげー下等生物じゃん!」
「もう、行こ。なんだかこわいよ」立ち去るたっくんたち。
(もっとせんべいよこせ! ケチ!)