見つめ合うふたり

01:50 AM, January 09, 1999

「怪子はわがままだよな、ったく。突然、海が見たいなんて言ってさ」
「・・・(ぶるぶる)」

怪子さん、夜風に吹かれて

「寒いか? ・・・俺のコートの中に入れよ。でも夜の海も綺麗だよな。怪子が見たいって言う気持ちも分かる気がする」
「・・・そう?」
「なんだよ、お前の気持ちが分かっちゃいやか?」
「・・・(じっ)」
「って、そんなに見つめるなよ。照れるじゃん」
「・・・怪子に見られるのいやなの?」
「いやじゃないけどさ」
「・・・ふ〜ん」
「でも怪子に会えて本当に良かったよ。怪子に会わなかったら、俺の人生はどれほど色褪せてつまらないものになっていたか考えてぞっとしちゃうんだよ」
「勝手にぞっとすれば」
「え?」
「っていうか、呼びつけで呼ぶなよ」
「あ、じゃあ、か、怪子さん?」
「OK。って今さら遅いんだよ。っていうか、そもそもお前、下の名前で呼ぶなよ」
「え? っていうか、僕たち恋人同士じゃん」
「んなわけないだろ?」
「・・・」
「ただ、怪子の足として使ってるだけじゃん。何考えてんの?」
「いや、僕は、てっきり、勘違いしてて、その・・・」
「その、なに?」
「前から怪子さんのこと好きだったし・・・」
「あー、だから下の名前で呼ぶなっつーの!」
「あ、怒らないでよー。ごめん」
「むかつくなー」
「あー、むかつかないでー。どこにでも連れて行くし、なんでもするしー」
「じゃあ、海に飛び込んで」
「え?」
「飛び込めよ、ほら、早く!」
「や、寒いし、もう冬だし、夜だし、危険じゃない、かな?」
「危険だから言ってるんだろ?」
「・・・・・(こわすぎ)」

見つめ合うふたり。夜は更ける。




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