ひざうら

1998/10/24

 ああ、ひざうら。なんでキミはひざの裏なの? その理由を知りたい。僕はキミに会うために生まれてきた。ああ、ひざうら。僕はキミに惹かれる。なんで、そんなにキミに惹かれるんだろう。なんで惹かれるのか心を静めて考えてみる考えてみる。答えは簡単。キミは『ひざおもて』と『ひざうら』どっちが好き? そう、答えは決まっている。


僕はキミに惹かれるに決まっているんだ。
それはもともと決まってることなんだ。


 それはあるいは僕が女性を背後からこっそりのぞき見ることが多いから、女性という存在をひざうらに投影してるからかもしれない。それでかまわない。ぜんぜんかまわない。キミは女性存在の投影。よく分からないけど、縦に線が2本入っていてキミは素敵だ。なんだその線? 惹かれる。

 (1)短パン短パン、短めのスカートスカート(短め)、スパッツ好き好きスパッツ等限定された服装をした女性が(2)ストッキングをはかずに生の足で(3)立っているところを(4)背後から(5)その女性に気付かれずに凝視しなければキミは見ることができない。確かにキミは存在している。たくさん存在している。しかし、いつも見れるわけじゃない。日常性の中に埋もれる。日常の風景となる。しかし、我々人類はキミを失ったとき初めてキミの美しさに気付いて愕然とするだろう。

 キミの生い立ちを訊きたい。語りたくないなら語らなくていい。語ってくれるまで僕は待っている。いつでもキミが僕に語りかけてくれるのを待っている。キミはどこから来たんだい?

 顔色が良くないね。キミの生白さはなんだい? 陽が当たってくれないのかい? 嘆くことは何もない。僕がキミの陽となろう。僕はしっかりキミの存在を感じる。目をつぶって天井を仰ぐと、キミが浮かんでは消える。深い湖の中にコンクリート詰めにされて沈められてもキミを想うだろう。今、こうしてキーボードを叩いてるときでも僕はいつでもキミを感じることができる。なぜだろう?

 そう、僕はキミを包含しているからなんだ。僕という存在がそもそもキミを包含していた。これに気付くのに長い時間を割かなければならなかった。メガネ、メガネって言って探してて実は頭にかけてたなんていうのと同じだね。面白いかい? 僕はちっとも面白くないよ。


今、キーボードから手を離して、僕の中のキミを見てみる。どれどれ?


 うわ! 何だこれ! 汚い! 薄汚れてる! 湿ってるし! なんで湿ってんだよ! これはいわゆる『ひざうら』なんかじゃないよ! 目を背けてたくなる僕の中のそれ。あまりにひどい仕打ち。打ちのめされる。でもこれも、ひざうら終局のひとつのカタチ。

シャギーいわしたさんとすいちゃん




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